もっとわかるインスリン治療
6)治療費はいくらかかる?
糖尿病では、合併症の有無、血糖コントロールの状態、併用薬等の状況によって治療内容が大幅に異なるため、治療費は患者さんによってさまざまです。
治療内容が食事療法や運動療法のみであれば、治療費は「特定疾病療養管理費」や検査料の負担で月3,000~5,000円程度(3割自己負担の場合、以下同)、飲み薬(経口薬)のみの服用では、薬剤の種類と数によって異なりますが3,000円~10,000円程度でしょう。
インスリン治療を受けている患者さんの場合は、在宅での自己注射を行うために「在宅自己注射指導管理料」が加算され、薬剤費や注射器具、検査費用もかかるため、多くの場合、月に10,000円以上の自己負担となります。
しかし近年ではインスリンのバイオ後続品(バイオシミラー)も販売されており、先行品よりも低価格であることから患者さんの経済的負担軽減や国の医療費抑制の手段として関心が高まってきています。
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教育入院
糖尿病の治療導入時に糖尿病の知識、食事療法や運動療法の習得、合併症等の精密検査を行うために1~2週間の教育入院を行うことがあります。医療機関によって異なりますが、自己負担金額として、1週間の教育入院で70,000~100,000円、2週間では100,000~150,000円程度が一般的です。
治療入院
教育入院ではなく、糖尿病が進行したために「治療入院」となった場合には、治療内容や入院形態によって費用が大きく異なります。
厚生労働省の患者実態調査(平成21年)では、糖尿病患者の入院平均日数は36.1日、入院1日あたりの医療費は約25,000円であり、1回の入院で約27万円の自己負担が必要となると報告されています。
高額療養費制度
長期の入院などで医療費が高額になった場合には、国民健康保険の加入者で一人が1ヵ月に同じ医療機関にかかって自己負担限度額を超えた場合、超えた分の額が支払われる「高額療養費制度」を利用することができます。
治療日の自己負担額は患者さんによって異なるので、高額療養費制度の適応や金額については医療機関に相談してください。
<参考>
糖尿病治療における費用には、基本的な診療に関わる費用の他に、患者さんの状態や治療内容によって、様々な費用がかかります。
- 特定疾患療養管理料(糖尿病合併症管理料、糖尿病透析予防指導管理料)
- 生活習慣病管理料
- 在宅自己注射指導管理料
- 在宅療養指導管理材料加算
- 在宅小児低血糖症患者指導管理料
- 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料
- 血糖自己測定器加算
- 注入器加算
- 注入器用注射針加算
など