よくわかる糖尿病のくすり

2)注射薬

糖尿病の治療に用いられる注射薬の概要をご紹介します。ご自身で注射をする際には、必ず医師・薬剤師の指示にしたがってください。

糖尿病の治療薬には、飲み薬(経口薬)と注射薬があります。注射薬には、インスリン注射薬とGLP-1受容体作動薬があります。

インスリン注射薬

インスリンとは?

インスリンは、膵臓のランゲルハンス島(β細胞)から分泌されるホルモンで、血糖値を低下させる働きがあります。
健康な人は、食事で糖質を摂っても、インスリンの働きによって血糖値は一定に保たれます。しかし、糖尿病の患者さんは、インスリン分泌の低下やインスリンの作用が不足することにより、高血糖の状態になってしまいます。

インスリン治療とは?

糖尿病患者さんは健康な人と比べて体内におけるインスリンの分泌が低下したり作用が不足したりするため、注射によりインスリンを補充し、健康な人のインスリン分泌のパターンに近づけるための治療法です。
1型糖尿病は、インスリン分泌が低下しているので、インスリン治療が不可欠です。2型糖尿病でも、飲み薬(経口薬)などの治療で血糖値をコントロールできない場合、インスリン治療が必要になることがあります。
インスリン治療は、患者さんがご自身で注射をしますので、頻回に通院する必要がなく、さらに注射の時間やお薬の量を守れば、確実に血糖値をコントロールできるというメリットがあります。
インスリン治療は通常、皮下に注射をしますが、採血などで使う針よりも細い針で、注射の際の痛みが少なくなるように工夫されています。注射器は患者さんがどのようなときにも使いやすいように工夫されているので、外出先や旅行先でも安心して使用できます。

■インスリン注射薬
インスリン注射薬

関連リンク

インスリン以外の注射薬-GLP-1受容体作動薬

注射薬には、インスリン以外にGLP-1受容体作動薬があります。GLP-1(ジーエルピーワン:グルカゴン様ペプチド1)は、膵臓に作用してインスリン分泌を促す働きのあるホルモンです。食事で摂った栄養素が小腸に達すると分泌され、インスリンの追加分泌を促進します。GLP-1受容体作動薬はこのGLP-1と似た構造を持ち、GLP-1と同様にインスリン分泌を促す注射薬です。GLP-1よりも体内で分解されにくいため、インスリン分泌を促す作用が長く持続します。インスリン注射と同じように、患者さんご自身で1日に1~2回注射をします。
下痢、便秘、吐き気などの副作用が使い始めに起こることがあるため、少ない量から使用を開始し、徐々に量を増やします。
飲み薬(経口薬)と併用する場合、お薬の種類によっては低血糖を起こす可能性が高くなるので、定期的に血糖値を測定するなどの注意が必要です。

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